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障害年金と障害者の就労問題

 障害年金を受給されている方からのご相談の中に、「障害年金を受給中で現在自宅療養しているが、少しでも早く職場復帰をしたいのだが、パートや正社員など仕事が決まった場合、障害年金はどうなるのか」とのご質問があります。
 障害年金の場合、一度認定を受ければ仕事をしたとしても、直ちに障害年金が支給停止になるわけではありませんのでお仕事をされること自体に問題はありません。ただし障害年金の更新については別途考える必要があります。
 まずここでチェックすべきなのは障害年金が有期固定が永久認定かを確認する必要があります。原則、障害年金は一度認定を受ければそれ以降、何もせずとも年金をもらい続けられるというものではありません。
 日本年金機構から障害の状態に応じて定められた年度ごとに障害状態確認届という書類が届きます。この書類を主治医に作成依頼し更新申請をする必要があるのです。
 障害状態確認届は病気の種類や状態によって1年~5年を目途に作成が必要となります、これを有期固定と言います。
 一方、障害の状態が安定しており今後障害の状態に大きな変化がないと判断された場合は永久認定となり障害年金の等級が変わる可能性がないことから更新の処理が必要なく診断書の提出が不要となります。
 さて今回のご相談の場合、永久固定であるのならば本人の体力に合わせてお仕事をされるのは特に問題ないと思います。
 しかし、障害年金の認定を受けたばかりの方が無理をして仕事にいった場合は少し考える必要があります。
 有期固定の障害状態確認届には就業状況の確認欄があり正職員・パート・障害者雇用など記入できるようになっているのですが、通院中のお医者様の問診の中で最近の暮らしぶりを確認された際にフルタイムで働けているとお話をしたとします、そうすれば当然お医者様は、障害状態確認届にその旨を記入されます。
 ここで本当に体調が良くて働いているのなら問題ないのですが、本当は体調が回復していないのに早く社会復帰したいと本人が無理をしている場合だと本当は回復していないのに診断書の記載内容上は回復しているように見えてしまうという問題が発生します。
 日本年金機構では就業すれば直ちに等級が下がったり不支給になることはないとされ本人の就業を妨げることはないと公表されています。確かにその通りなのですが、一方で障害等級を引き下げる理由として「就業したから」ではなく「就業できるほど回復している」から等級を下げるという理屈は成立するのです。
 診断書の記載内容を読んだだけでは無理をして働いているのかの判別は難しく、特に厚生年金に加入している場合は、正職員と同程度の労働条件で働けていると判断される可能性があります。
 最終的に、「働いたほうがよいか、働かないほうが良いか」なのですが、本人の体調次第としか言いようがないのです。本当に回復していれば働けば良いでしょうし、無理をしなければ働けないのであれば療養に専念されるのが良いのではないでしょうか。アドバイスを求めるならば通院中のお医者様に相談されるのが良いと思います。お医者様に「職場復帰をしたいのだが大丈夫であろうか」と相談し判断を仰がれるのが一番間違いないと思います。
 障害年金受給中の方の中には、お仕事をされていないことへの後ろめたさを感じる方がいらっしゃるようですがわたくしが相談を受けた際には、「療養が貴方の仕事ですから療養という仕事に集中なさってはどうですか」とアドバイスするようにしています。

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